ウェンディ・ロワー(Wendy Lower)
クレアモント・マッケナ・カレッジ歴史学部教授(John K. Roth Chair)、ミュンヘン大学リサーチ・アソシエイト。アメリカ合衆国ホロコースト記念博物館の学術コンサルタントも務め、20年にわたりホロコーストに関する資料調査とフィールド調査を行っている。家族とともに米国・カリフォルニアのロサンゼルスとドイツのミュンヘンに居住。
[監訳者]
武井彩佳(たけい・あやか)
早稲田大学博士(文学)。専門はドイツ現代史、ユダヤ史、ホロコースト研究。早稲田大学比較法研究所助手を経て、現在、学習院女子大学国際文化交流学部准教授。著書に『戦後ドイツのユダヤ人』(白水社、2005年)、『ユダヤ人財産はだれのものか―ホロコーストからパレスチナ問題へ』(白水社、2008年)、『〈和解〉のリアルポリティクス―ドイツ人とユダヤ人』(みすず書房、2017年)、訳本にダン・ストーン著『ホロコースト・スタディーズ―最新研究への手引き』(白水社、2012年)がある。
[訳者]
石川ミカ(いしかわ・みか)
国際基督教大学教養学部人文科学科卒業。外資系銀行勤務を経て、障害・福祉・リハビリテーション分野の翻訳に従事。
ナチズムが生んだ一般のドイツ女性たちは
‘血塗られた地’(ブラッドランド)で何を目撃し、何を行ったのか。
レイシズム、国家主義のさいはてに待つ、知られざる歴史の闇に迫る。
ナチス・ドイツ占領下の東欧に赴いた一般女性たちは、ホロコーストに直面したとき何を目撃し、何を為したのか。冷戦後に明らかになった膨大な資料や丹念な聞き取り調査から、個々の一般ドイツ女性をヒトラーが台頭していったドイツ社会史のなかで捉え直し、歴史の闇に新たな光を当てる。
想像せよ、自分が立っている場所はすでに「灰色」ではないか。
自戒せよ、大きな流れの中で自分を押しとどめるだけの確たる信念はあるか。(「監訳者解題」より)
ティモシー・スナイダー(『ブラッドランド』『ブラックアース』)
`本書は、女性学とホロコースト研究の双方における重要な転機として読まれ、記憶されるだろう'
全米図書賞ノンフィクション部門最終候補選出作(2013年)
【書評等情報】
共同通信配信・各紙/池田香代子氏(2016年9月~)
日経新聞/川成洋氏(2016年9月18日)
女性情報(2016年10月号)
しんぶん赤旗/熊野直樹氏(2016年11月20日)
図書新聞 第3282号/増田幸弘氏(2016年12月10日)
ふぇみん 3141号(2016年12月15日号)
週刊読書人 3170号《2016年回顧総特集・女性学》/千田有紀氏(2016年12月23日号)
朝日新聞「2016年の収穫 心に残る本―書評委員が選んだ今年の「3点」」/市田隆氏(2016年12月25日)
女たちの21世紀 No.88 フェミの本棚/上田尚徳氏(2016年12月号)
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